世界史の授業で『西部戦線異状なし』のネタバレをされたときのお話

この前の記事でこんなことを書いたのでございます。

そして今になって思えば、そうやってなんとなく学生時代になんとなく押し込んだ知識の数々が、もうほとんど抜けてしまっているなあと思っている次第であります。

『きっと、うまくいく』定期的に観たくなるめちょめちょインド映画 - ウサオジのブログ

ここで書きました通り、小学校から大学までに学んだ数々の知識のうち日常生活で使う知識などほんのわずかでありましたので、もうそのほとんどが抜け落ちてしまいました。

しかしながら、日常生活でまったく使わないのにも関わらず未だに覚えていることがございまして、それが『西部戦線異状なし』という第一次世界大戦を描いた映画、小説のオチなのであります。

高校で世界史の授業を受けていたとき、ちょうど第一次世界大戦の内容だったこともあり、担当の先生がいきなりこの作品について語り出したのです。

そして何を語るかと言えば、唐突に作品のオチを語ったのです。

西部戦線異状なし』という作品が第一次世界大戦を描いた作品だということを教えられた直後、いきなりオチをばらされました。

よほど思入れがあるのか、ご丁寧に身振り手振りまで交えて教えていただきました。

その世界史の先生は真面目な顔して冗談を言うような一風変わったオヤジだったのですが、そのとき私は「このオヤジは一体なんということを突然言い出すのか」と思った次第です。

しかしながらそのネタバレの衝撃もあってか、なぜかこのオチだけは私の頭に残ったのです。

そして数年後、高校どころか大学を卒業するまでほんのりと頭に残っていて、大学卒業後、なにかのきっかけでついうっかりまずは小説を読んでみたのです。

世界史のオヤジにまんまとやられました。

ちなみにその後、映画の方も観たのは秘密でございます。

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さて、この『西部戦線異状なし』という作品ですが、上にも書いた通り第一次世界大戦を描いた作品でございます。

ドイツ軍の兵士として戦争に赴いたある若者の視点で、その若者が戦争を通して何を経験し、あるいは戦争が彼にどういう影響を与えたのかといったことが描かれております。

言うならば歴史ドキュメンタリーに近い感じです。

主人公の日常や思ったことなどが淡々と語られていくので、オチなんてあって無いようなものだと最初は感じたのですが、読み終えてみるとこれが違ったわけです。

あのオチこそが、作品をなんとも味わい深いものに仕上げていたのです。

ああいうのを画竜点睛と言うのでしょうねえ。

と、そこで私は「あのオヤジ、えらいことをしてくれたな」と思うとともに、ついついにやりとしてしまったわけであります。

 

ここで私は思ったのですが、こういったテストで点を取るのとは全く違ったとことにある知識が、意外にも人生に味わいをもたらしてくれるのではないでしょうか。

先日の記事で紹介した『きっと、うまくいく』という映画では、テストで点を取るためだけに勉強するという風潮が描かれていたのですが、そういった勉強ばかりしていたらきっと味気のない人生になっていたのかもしれないなあ、と思う次第でございます。

しかしながら、テストで点を取ることそっちのけでしょーもないことばかり覚えていると、私のようにしょーもないことばかり言うオジサンになってしまうので、やはりバランスが大切なのだというよくありがちな主張に落ち着くのです。

 

さて、ここまで読んでいただいた皆様はもしかしたら『西部戦線異状なし』のオチが気になっているかもしれませんが、ここでは書きません。

私は世界史のオヤジではなく、ウサギのオジサンでございます。

おしまい。