【小説】『雪の狼』壮絶な運命でございます

久しぶりの小説の記事でございます。

実はもうかれこれ2週間近く前に読み終わっていたのですが、他のことばっかり書いていたためにどんどん先延ばしになっていました。

が、しかし、今日というこの日、今ここで書きます。

というわけでして、今回はグレン・ミードさんの『雪の狼』という小説についてだらだら書いていくのでございます。

これは1950年代の冷戦を舞台にしたお話でして、アメリカに雇われた殺し屋がソ連のとある重要人物の暗殺を企てるといったものなのでございます。

しかしながらその計画に感づいたソ連は殺し屋の追跡を始め、そこからやんややんやと物語が展開するのでございます。

上下巻併せて1000ページ弱あって結構重量感のある内容なのですが、特に下巻の展開が凄まじかったのです。

ネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、上巻が作戦開始前について書かれていて下巻でその作戦がいよいよ本格的に開始されるのですが、開始されてからが本当に面白い。

一気読みでございます。

歴史の裏に葬られた壮絶なストーリーに引き込まれるのです。

孤立無援のソ連領内、執拗に迫るKGBの厳重な包囲網を突破し、無事に目的を達成できるか?

どきどきはらはらの物語でございました。

しかしながら、重要人物の暗殺もひとつの重要なポイントではございますが、他にも人間関係のあれこれもこの作品の面白いところでございます。

登場人物の複雑な人間関係ってやつが物語をさらにややこしく、そして面白くしているのでございます。

ですが、これを語ってしまうと極めて重大なネタバレになってしまうので書くことは控えておきます。

さて、ここでちょいとこの記事を振り返ってみるとネタバレを避けるあまり情報量があまりにも少ないことに気づくですが、この小説をネタバレ回避しながら語るのは非常に難しいのです。

とはいえ、情報量が少ないと言っても、いつもこんな調子だったような気もするので良しとしますか。

とりあえずは、アメリカがソ連の重要人物の暗殺を企ててやんややんやとやってしまう涙なしには語れない壮絶な小説なのでございます。

ところで、この『雪の狼』は史実をベースにしたフィクションという形で物語が進むのですが、これを読んでいて2つばかり思い出した小説があるのです。

それは『鷲は舞い降りた』、『北壁の死闘』という作品でございます。

鷲は舞い降りた (ハヤカワ文庫NV)

鷲は舞い降りた (ハヤカワ文庫NV)

 
北壁の死闘 (創元推理文庫) (創元ノヴェルズ)
 

これらはどちらとも第二次世界大戦を舞台にした作品なのですが、『雪の狼』と同じく歴史の裏に葬られた壮絶なストーリーなのでございます。

ちなみにそれぞれの内容をちょいとだけ紹介するならば、『鷲は舞い降りた』はドイツ軍部隊がイギリスに密かに潜入してチャーチルを拉致しようとするお話でして、『北壁の死闘』の方はと言いますとドイツ軍部隊が連合国側の原爆開発の要人を拉致するためにスイスのアイガーという山を登るお話でございます。

どちらも面白いので、歴史物やスパイ物の小説が好きな人にはたまらん1冊になるかと思います。

さて、これ以上書くと何の記事書いてたか分からんくなってしまうので、そろそろおしまいの時間でございます。

おしまい。

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