ちょいと前にAmazonのセールで電子書籍がいろいろ安くなっていた折にいろいろ買ってきたのですが、そのひとつが今回話題にする劉慈欣さんの『三体』という小説シリーズでございまして、先日遂にその1作目『三体』を読み終えたのでございます。
これがまあ物凄い小説でして、とんでもない内容だったのでございます。
初っ端から文化大革命の真っただ中にとある人物がぼこすかにリンチされてぶっ殺されるシーンから始まるのでして、もはやこの時点で既にとんでもないのですがそんなのはまだ序の口でして、読み進めるほどにやんややんやととんでもないことが立て続けに起こるのでございます。
で、そんなとんでもないことのひとつに関連して、「科学を殺す」といった具合のキーワードが出てくるわけです。
科学者を殺すならまだしも、科学を殺すとは?
もうこの時点で私といたしましてはなんのこっちゃよう分からんのですが、これは別に書き間違いとかそういうわけでもなく、どうやら何者かの手によって科学そのものがぶっ殺されようとしているのでございます。
誰が、なぜ、どのような方法で科学を殺すのか、これについてはぜひ本書を読んでいただきたいのですが、「科学を殺す」というのはあまりにも衝撃的だったのです。
ちなみに、科学も死にますが科学者も死にます。
と言いますのも、作中で科学者の連続自殺という事件が発生するのでございまして、しかしながらその動機というのが何のこっちゃ分からんほどに意味不明なのでございます。
と、そんなこんなで本作のテーマのひとつが「科学」なのでありますが、科学的にとんでもないことが起こったりもするのです。
これはいわゆる超常現象のようなことでして、例えばある人物の視界に謎のカウントダウンが表示されたりするのです。
どこを見ても何を見てもそのカウントダウンは消えないのでして、カウントダウンが目に張り付いているとしか思えないような状態なのでございます。
一体どんなトリックを使ったらそんなことが可能になるのでしょうか?
さて、そんなこんなで不可解な事件が立て続けに起こるのですが、なぜかそこに軍が出てきて「これは戦争だ!」とかなんとか言っちゃうのでございます。
先ほど紹介したようなの珍妙な出来事だけだとただのちょいと不思議な事件のように見えるのですが、実はこれは戦争なのでございます。
ミサイルはおろか銃弾の一発ですら飛んでいないのにも関わらず、戦時中なのです。
彼らは何と戦っているのでしょうか?
とんでもないものと戦っているのでございます。
ところで、ここまで一切タイトルにもある「三体」の正体については触れてきませんでしたが、これについては何も知らずに読んだ方が楽しめるのでございます。
とりあえず何か3つ出てくる、とだけ言っておきます。
さて、結婚生活において大切な3つの袋がありますが、それは「堪忍袋」、「給料袋」、「お袋」でございますので、これを覚えておくと良いことがあるかもしれませんが、仮に無かったとしても私の知ったこっちゃありません。
というわけですので、次は2作目『三体Ⅱ 黒暗森林』を読んでいく予定であります。
今回読んだ『三体』の時点で既にとんでもない内容なのですが、これはまだシリーズの立ち位置的にはほんのプロローグに過ぎないっぽいので、なによりもその事実に驚愕するウサオジでございます。
これから一体どうなっていくでしょうねえ?
楽しみでございます。
おしまい。