親愛なる紳士淑女の読者諸君、あけおめでございます!
今日は空自隊員の舞島姉妹が活躍する『チェイサー91』から始まるシリーズの続編、『TACネームアリス 地の果てから来た怪物』について書いていきますよ。
現時点ではこれが、本シリーズの最新巻でございます。
昨日は戦争の勃発を描いためちょんこ重たい小説『ネヴァー』について書きましたが、何と言っても今日はおめでたい新年ですのでもっと軽くいきましょう。
ここで「平和」についての重厚な議論をおっぱじめることすらやぶさかではありませんが、さすがに2日連続で重い話をするのは勘弁してやるとしましょうかねえ。
ところで、念のため確認しますが、昨日の課題はやってきましたかねえ?
というわけでして、最後に私から冬休みの宿題をひとつ皆様に出しておきますよ。
各自、『ネヴァー』を読んで何がどこで間違ってしまったのか、そしてどうしたら良かったのかを新年までに考えてくるように。
さておふざけはこの辺までにしておきますと、本作の事件は2機の航空自衛隊機が戦闘訓練をするところから始まるのですが、この時点でもう既に胸熱な展開なのでございますよ。
片方のパイロットはシリーズお馴染みの舞島茜なのでありますが、もう片方のパイロットと言いますのがその同期の白矢英一という男でございます。
この2人はパイロットの同期、いわばライバルのような関係でして、しかも茜の方が技量は圧倒的に上なのでございます。
白矢は訓練生のときから成績ではいつも茜に負け続きで、今日この日こそは、と努力に努力を重ねるわけですよ。
いつまでも負け続けるわけにはいかんのでございます。
素質で遥か上を行くライバルに努力で打ち勝つべく、この日、彼は飛んだのでございます。
だが白矢は、自分よりもうまい奴と空戦をして、当たり前のように負けるなんて我慢がならない。
うまい奴に、当たり前のように負かされて、何が面白いか──!?
引用:『TACネームアリス 地の果てから来た怪物 (上)』
というわけでして、もう初っ端から少年漫画のような熱さでございますよ。
胸熱でございます。
頑張れ白矢、負けるな白矢でございます。
果たして結果は如何に!?
と、もはやここまで来ると主人公は白矢なのではないかと思えるくらいの熱さでございますが、実際のところ、本作の主人公は白矢と言っても過言ではありません。
1作目『チェイサー91』では敵に捕らわれ、続く『TACネームアリス』、『TACネーム アリス 尖閣上空10vs1』でも敵機に撃墜されるというどこか残念な役回りだった白矢ですが、本作では違いますよ。
それはともかく、訓練後、シベリアから日本領空に飛んできた貨物機に異変が現れたために2人が現場に直行するところから物語は大きく動き出すのでございます。
予定通り日本まで飛んできた貨物機が突如、日本海上空でとっちらけな動きをし始めるのでして、それに対して白矢たちが様子を見に行くといった具合でございます。
そして貨物機コクピットには何か不審な動き、一体何があったのか?
しかし何があったのかは読んでからのお楽しみでございます。
ともあれ、そんな感じで始まる『TACネームアリス 地の果てから来た怪物』ですが、終盤、遂に白矢が敵機と対峙するところが最高に熱いのでございますよ。
日本の命運を背負い、白矢は一人、ここで敵を撃つのでございます。
今までの鍛錬のすべてをぶつけるんだ、白矢!!
さて、他にも、茜と白矢の所属する飛行班の班長という、いわゆる主人公の師匠ポジの人物まで登場して大事なものを白矢に託したりと、何かと胸熱な展開が目白押しの作品なのでございますが、この班長が、ありえないくらいめちょんこカッコいいのでございますよ。
師匠たる者かくあるべし、といった感じでございます。
というわけでして、他にも面白いところはいろいろありましたが、何と言っても本作は白矢がカッコいいということだけは改めて伝えておきましょう。
おしまい。