『トップガン マーヴェリック』「本物」でございます

さあて、昨日の興奮がまだ冷めやらないので、昨日に引き続き今日も今日とて「トップガン マーヴェリック」について語りましょう。

結局、あの映画の何があれほど興奮を与えてくれたのかと考えたところ、これは「本物」であるからじゃあないでしょうかと思ったウサオジなのでございます。

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本物の戦闘機を使うどころか、俳優を実際に戦闘機に乗っけてしまうことすらやってのける、そんな本物へのこだわりが結果として凄まじく凄まじい空戦アクションを作り上げたのではないかと思いますねえ。

メイキング映像なんかも、それはもう物凄いことになっておりますよ。

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戦闘機も、俳優も、そして周りの風景も本物でありますからして、だからこそ本物にしか出せない「味」が出ているのでございます。

なんなら、本物にこだわるあまり、セットがぶっ壊れるシーンがあるくらいですからねえ。

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映画館で観ていて「おぉ、こりゃすげえ!」と思っていたら、まさかの狙った演出ではなく想定外のハプニングだったとは、これはぶったまげるほかありませんよ。

しかしながら、だからこそ映画館でそれを観ていた私はあの瞬間、まるでそこに衝撃波が実際に吹き付けてきたかのような感覚を覚えたのではないでしょうかねえ。

一方で、最近はテクノロジーが進んでCGを使う映画も増えてきていることも事実でございます。

なんならCG技術を中核にしたアクション映画なんかも少なくないはずでございますし、もしかしたら今はそういった映画の方が主流なのかもしれません。

とんでもなくとんでもない最新のテクノロジーによってどんなファンタジーだって本物のように見せることができるようになった今、ここで敢えてわざわざ本物にこだわることによって、本物にしかできない何かを見せつけられた感じがしますねえ。

「トップガン マーヴェリック」の作中で、ある人物が言うのでございますよ、「これからは無人戦闘機の時代だ。パイロットは時代遅れになる」と。

ちなみに、これはただのフィクションのせりふでもなんでもなく、実際にそうだったりするのでして、その道のプロであるパイロットが人工知能に負けるなんてことも現実としてあるらしいのでございます。

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しかしながら、作中で活躍するのは機械ではなく人間なのでございます。

主役は時代遅れのパイロットなのでございますよ。

それでですねえ、もしかしたらこの映画は、たとえ時代遅れになろうとも失ってはいけないもの、受け継がなければならないものがある、と伝えたかったのかもしれないなあと思ったりするのでございます。

いずれCGの時代がやってきて、実際に俳優が本物のアクションをするのは時代遅れになってしまうかもしれませんが、それでもやはり実際に本物のアクションをすることでしかできないことがきっとあるはずなのでございますよ、「トップガン マーヴェリック」のように。

さてここで誤解してはいけないのは、「CGは駄目だ」ということではありませんよ。

CGにはCGにしかできないことがあります、人間には人間にしかできないことがあるよに。

例えば、正真正銘こってこてのCG映画である「少林サッカー」なんかは紛れもない傑作でございます。

あれはCGなしでは作れなかったのは間違いないでしょう。

ところで、先ほどの無人戦闘機の話で思い出しましたが、この前私が読んだ小説に「全能兵器AiCO」というものがあるのですが、これが無人戦闘機対パイロットの戦いを描いたお話なのでございます。

そしてその主人公のパイロットが、無人機を指してこう言ってのけるのでございますよ。

ハートのない飛行機なんざガラクタだ。

引用:全能兵器AiCO

この表現を借りるならば、ハートのある飛行機が活躍するのが「トップガン マーヴェリック」なのでございます。

ともあれ、先のAIがシミュレーションで本物のパイロットを打ち負かした件ですが、お次はトム・クルーズにやらせてみましょう。

マーヴェリックならきっと勝てるはずでございます。

さてと、話がちょいと脱線しましたが、要するに、ともかくぜひともこの映画は映画館で観るべき映画だということですよ。

映画館で味わいましょう、本物の味ってやつを。

おしまい。