昨日は凄いですよ、ヤク中が作ったみたいな映画を観てきました。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』というやつなんですけれども、これがもう本当にとんでもなくてですねえ、何から何まで全部が全部一切合切が荒唐無稽でして、逆にまともな人間がこれを作ったと言われる方がむしろ信じがたい。
まるで譫妄状態の人間が作ったかのような突拍子もない滅茶苦茶なストーリーと映像、こんなの観たことありませんねえ。
なんというか、いわゆる前衛芸術みたいな作品でして、まあとにかく斬新な映画でございました。
本作の黒幕について「全宇宙をカオスにもたらす」とか言われておりましたけれども、「それはお前じゃい!」とこれを作った監督に向かって指を突き付けて大声で言ってやりたい気分でございます。
さて、そろそろあらすじでも書いていくとしましょうかねえ、と言いたいところではありますけれども、結局今になってもあれが一体何だったのか分からないので、今日はあらすじ無しでございます、知りたきゃ映画館行ってください。
とりあえず私の言えることは、確定申告の経費を巡って国税庁と揉めてるコインランドリー経営者の中国系アメリカ移民1世のオバチャンがマルチバースをカンフーで救う家族愛の映画だったということくらいでございます。
文字にしても何が何だかよく分からんことになっているかと思いますが、実際にそうなのだから仕方あるまい。
そしてとりわけインパクトのあった凄いシーンとしては、例えば、お尻の穴に押し込むにおあつらえ向きな形状のアイテムをお尻の穴に押し込んで特殊能力を獲得したワイシャツを着たスキンヘッドのハゲが下半身すっぽんぽんのモザイク状態で主人公に戦いを挑んできたりもしたのですけれども、これ以上書くとシモネタ過ぎてはてなブログの規約に引っかかりそうなのでやめておきましょう。
ちなみに、そのシーンでは実はもう一人お尻の穴に入れるにおあつらえ向きなアイテムをお尻の穴に押し込んだ敵が出てきたりもしたのですけれども、本当にこれ以上書くとヤバそうなのでやめておきます。
とりあえずシモネタじゃないシーンについてもひとつ触れておきますけれども、生物の発生条件が整わなかった宇宙でギョロ目の石が会話するシーンは何か象徴的なものを感じずにはいられない神秘的な雰囲気がありましたねえ。
さて、しかもこの作品のとんでもないところは、そんな何が何だかよく分からん譫妄状態連発の癖して、最後はきっちり「感動の超大作、いよいよここに完結!」みたいな全部やり切った雰囲気で終わらせてくることでございます。
どっかの意味不明なゲロとクソにまみれて船が転覆して掃除婦が支配するトライアングルみたいなわけわからん映画とは、この点で大きく違っております。
あっちの映画は、最初から最後まで一貫して意味不明なままでしたからねえ。
その点、本作『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は序盤から終盤までは史上最大級の意味不明さとキチガイさでしたけれども、最後の最後だけはまとっぽくなっておりましたから驚いたものです。
それに、あの訳の分からない感じも、あれはあれで馬鹿馬鹿しくて面白い。
というわけもあって、この作品の評価は意外にも低くはありませんよ。
観ていて多少辛いところはあったものの全体的には楽しめましたねえ。
そうしょっちゅう観たいものではありませんが、一度くらいは観ておいて損はない感じでございます。
しかしさすがにあのカオスを2時間半も浴び続けるのは、ちょいとしんどいですよ。
ともあれ、本当に気になっているのですけれども、この作品は本当にヤク中が作ったというわけではないんですよねえ?
おしまい。