ウサオジという男、『THE KILLER/暗殺者』を観る

今日は『THE KILLER/暗殺者』を観てまいりましたよ。

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殺し屋の男が、友人と旅行に行く予定の妻に、旅行中はその友人の娘の世話をするよう半ば強引に頼まれるわけでして、気の毒なその男は妻に言われた通りに娘の面倒を見るわけですけれども、その娘が人身売買組織に攫われてしまいえらいこっちゃになってしまうという映画でございました。

それで主人公は、攫った連中をこっぴどくぶちのめしつつ攫われた妻の友人の娘を追うわけですけれども、なんか似たようなストーリーの映画を観たことありますよ、私は。

『96時間』でございます。

あれも確か人身売買組織に攫われた娘を、こっちは実の娘を取り戻すために、ひとりの男が悪党をぶちのめしまくる映画でしたよねえ。

まだキレッキレのアクションをする頃のリーアム・ニーソンの映画でございます。

この前観た『ブラックライト』のリーアム・ニーソンは若干寄る年波には勝てない感じでしたけれども、『96時間』の方は迫力があって面白かった。

そういえば最近は『MEMORY メモリー』という映画が公開されてましたが、どうです、今度のリーアム・ニーソンは?

やっぱり年波が寄ってた感じですかねえ?

あれ観ようと思ってたんですけど、もう物凄い早朝とか物凄い深夜とかしか上映してないのでなかなか観れてないんですよねえ。

まあ、リーアム・ニーソンももう70歳らしいですから、さすがに若者のような動きを期待するのは酷かもしれません。

しかしながら、そんな年齢になっても自分の限界に挑み続ける彼の姿にはどこか勇気づけられるような気がして、応援せずにはいられません。

ともあれ、私といたしましては、とりあえず怪我には気を付けて頑張っていただければと思います。

さてと、ええとなんでしたっけ、もうリーアム・ニーソンの話しかしてないんですけれども、元々は別の話をしようとしていた気が。

ああそうだった、私は『THE KILLER/暗殺者』の話をしようと思っていたんですよ。

ちなみに、本作『THE KILLER/暗殺者』の主演はリーアム・ニーソンではなくチャン・ヒョクでございました。

さて、もういつもなら「おしまい」としても良い頃合いの文字数なんですけれども、やっぱりここでブログを「おしまい」にしたら、それこそ私が殺し屋に「おしまい」にされそうなのでもうちょい頑張ります。

ともあれ、そんな感じで若かりし頃のリーアム・ニーソンが出演する『96時間』ばりのキレッキレのアクションが観られる『THE KILLER/暗殺者』でして、これで既にアクションの凄さは伝えきれたかと思いますので、他の話題に移りましょう。

あととりわけ印象的だったのは、紙コップですねえ。

この主人公の殺し屋、会話シーンはほとんどずっと紙コップ片手に登場してますから。

作中のほとんどのシーンで、武器持ってるか紙コップ持ってるかのどちらかの状態ですねえ。

あるいは、もはや両方持っているシーンすらあったかもしれません。

妻の友人の娘と話すときも、刑事と話すときも、射撃場のオヤジと話すときも、ずっと紙コップで何か飲んでるんですよ、多分コーヒーを。

紙コップに次ぐ紙コップ。

延々と紙コップ。

作中では一体いくつの紙コップが消費されたのでしょうかねえ?

そして紙コップのシーンが終わったと思ったら今度はアクションシーンが始まりますから、紙コップ、アクション、紙コップ、アクション、ってな具合でございました。

もはやここまで来たら、今年の夏のファッションアイテムは紙コップで決まりですねえ!

これは来ますよ、紙コップブームが!

というわけで、彼のことは「ミスター紙コップ」ということにしておきましょう。

さて、さすがにここまで来たらそろそろ終わらせても良い頃合いかもしれませんが、ここまでの話題がリーアム・ニーソンと紙コップだけでこのまま終わらせるのもちょいとアレなもんですから、ここはもうひとつだけお話しましょう。

ストーリーやキャラクターの構成、設定が非常によく練られている感じで良かったですねえ。

1時間半の映画によくここまで詰め込んだなあ、と驚くばかりでございます。

鑑賞後の満足感が凄い。

意外な人物が意外なところで関係してきたりと、とにかく油断も隙も無いような構成で、登場人物の物語への関わらせ方がうまいんですよねえ。

その点、『96時間』は延々とリーアム・ニーソンが悪いやつを殺して回るだけで、アクションシーン意外に驚くような点はあまりなかったような印象がありますけれども、そこは大きな違いですねえ。

『96時間』もあれはあれでアクション映画として吹っ切れていて面白いんですが、『THE KILLER/暗殺者』の方はいろいろな楽しみ方がある感じですよ。

あと、紙コップが似合う殺し屋のオジサンとオジサンの妻の友人の娘という、赤の他人同士の2人がどう関わっていくのか、というところも見所でした。

「孤独」という多感なお年頃の人が抱える悩みが鍵になってくるのですけれども、ああいう悩みは多分、韓国だけに限られたものではなく国を問わずあるんでしょうし、難しい問題ですよねえ。

人付き合いって物凄く難しいですから。

まあなんというかこう、彼女には幸せになってくれるといいなあという思いでいっぱいですよ、私としては。

あ!そういえば今思い出しましたけど、赤の他人同士が繋がりを見出して関わり合うようになっていくという点は、しばらく前に観た『パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女』という映画もそうでしたねえ。

あれも運び屋の女ドライバーと彼女の依頼主の息子という赤の他人同士のお話でしたから。

と、そんな感じで、いろいろと思うところがあり、1時間半という短めの上映時間を忘れさせるほどの満足感が溢れるアクション映画でございました。

さてところで、折に触れてリーアム・ニーソンと『96時間』のことを書きまくったせいで、もう何だったら次は本作主演のチャン・ヒョクとリーアム・ニーソンが共演するアクション映画を米韓共同で作ってほしいですねえ!

もちろんストーリーは娘が悪党に攫われて男たちが大暴れする感じでお願いします!

おしまい。