先日、『君たちはどう生きるか』を観てまいりました。
ちなみにこれ、同じタイトルの本があるらしいのですが、私は基本的に小説くらいしか読まない上に、なんかタイトルが上から目線の説教のオイニー全開なところからして、結局小難しいことをこねくり回した挙句「どうだね君?今までの自分の至らなさに気づいたかね?今後は心を入れ替えて立派に生き給えよ」みたいなことを言ってきそうだったので読んだことはありません。
私の中ではもう完全に、ビジネス書なんかでありがちな著者の自慢と説教が満載の本、といった印象ですから。
ともあれ、映画の方は時間があったこともあり、怖いもの見たさであまり期待せず観てまいりましたよ。
それで観てきたわけですが、なんというかまあ、訳が分からないけど最後は「感動の超大作、ここに完結」みたいな感じだったのが『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を思い出させるような映画でしたねえ。
観ている最中はどんどん訳の分からない方向に話が進んで、「一体私はなんちゅうもんを観ているのか」という気持ちになったのですけれども、最後にはきっちり良い映画だった感を出してくるところが実に『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』っぽい。
要するに、一言で言ってキチガイじみた映画だったってことですよ。
映像における現代アートみたいな作品でございました。
あんな説教臭いタイトルからよくもまあこんなものを生み出しましたねえ。
ただ、序盤の火事のシーンは物凄い映像表現だなあと驚嘆しながら観ておりました。
あのシーンは本当に迫力が凄かった。
数分のシーンでしたが、あれだけはとても強く印象に残っております。
とは言え、それ以外はまったくよく分かりませんでした。
もしかしてこれ、ただ映画が意味不明なだけじゃなく、本の方からしてもう意味不明な内容だったんじゃあないでしょうかねえ?
それならこの映画の内容にも頷けますよ。
この映画のせいで、若干本の方にも興味が湧いてきたのは否めません。
ともあれ、本作が面白いか面白くないかで言ったら、面白くはなかったです。
やはり私は、こういう小難しいことをこねくり回している抽象的で難解な映画よりも、主人公が戦闘機ぶっ飛ばしたり、ファンキーなダンスをしたり、肩車して敵を蹴散らしたり、金鉱を巡って争ったりするような派手で分かりやすい映画の方が好きですねえ。
とは言ったものの、しかしこういう作品に予期せず出くわすのも映画鑑賞の醍醐味かもしれませんし、あるいは今回のようなハプニングを避けて安牌ばかり選択していたら予想外の傑作に出会い損ねてしまいますから、これに懲りず今後もまたちょくちょく無茶してみるとしますか。
なあに、どうせ命まで取られるわけじゃあるまいし、ブログのネタが増えたということで気楽にいきましょう。
おしまい。