【映画】『最強のふたり』失業保険の映画といえばこれ、でございます

今日は午前中にてきとーに求人情報を見ていくつか応募してめぼしい求人はすべて応募し尽くしてしまったので、午後は散歩してその後は映画を観ておりました。

先日、失業保険の申請するためにハローワークに行ったときからずっと観たかった映画『最強のふたり』を遂に観たのです。

最強のふたり (字幕版)

最強のふたり (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

この映画はスラム出身の青年ドリスと首から下がすべて不随の富豪フィリップとの出会いのお話なのでありますが、このふたりの出会いに失業保険がからんでくるのであります。

フィリップが介護人を募集している面接にドリスがふらっと現れるのでして、そこでサッと紙切れを出して「ここにサインをくれ」と言うのです。

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その紙切れは就職活動の実績を証明するためのものでして、失業保険を受給するためにドリスはサインをくれと言ったわけでございます。

他の求職者はフィリップの介護について「社会のため」だとか「人の役に立ちたい」みたいな模範的とも思えるような回答をするなか、ドリスはただ「サインをくれ」と言い、あとは2、3のジョークをぶちかまして立ち去るのです。

そもそも、この時点でドリスは何の面接なのかもよく知らずにとりあえず書類にサインをもらうためだけに来ているのであります。

しかしながらやんややんやとあった挙句このドリスが採用されてしまうのですが、その理由を非常にざっくり言うならば、ドリスだけがフィリップを障害者として扱わずひとりの人間として扱ったからなのでございます。

ドリスは他の連中のように障害を持ったフィリップを憐れんだりせずに、対等な人間として接するのです。

他の面接者は障害者であるフィリップを憐れんでいるようなことしか言わないのですが、一方でドリスは憐れむどころかフィリップの障害をネタにしたブラックジョークをばっしばし投げ、そしてフィリップも怒るどころか逆にそれを楽しんでいるのです。

また、逆にフィリップもドリスのことを「スラム出身で面接にとんでもない態度で現れるやつ」という表面的なものだけでなく、彼の性格や考え方に理解を示すのです。

そんなこんながあってこのとんでもない2人の関係は始まっていくわけでございますが、粗野で乱暴なドリスと音楽や絵画などの芸術に精通した上流階級のフィリップの痛快なやり取りが非常に面白いのです。

例えば、フィリップがオーケストラを聞いているとドリスは「トムとジェリーの曲だ」みたいな雰囲気ぶち壊しのことを言って、挙句「踊れない音楽は音楽じゃない」みたいなことを言い出してEarth, Wind & Fireの『Boogie Wonderland』に合わせて軽快に踊り出したりするのです。

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なんかもうめちゃくちゃなのですが、フィリップもそれを楽しんでいるのです。

またEarth, Wind & Fireと言えば、映画導入部では交通法規をいろいろ無視してマセラティをすっ飛ばすシーンから始まるのですが、そこで『September』を2人で熱唱するなどしておりこれも2人の関係をよく象徴しているシーンとして記憶に残っております。

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他には、フィリップが絵画を見ていると、それは白いキャンバスに赤い絵の具がびゃっと血みたいにぶちまけられている絵画なのですが、ドリスは「こんなの俺にも描ける」とか「これで3万ユーロは高すぎる」とか言うのです。

そしてドリスは自分の部屋に戻ってからそんな感じのテイストで絵を描きだしたりするのですが、これもなかなかぶっ飛んでいる展開で面白いのです。

そんなこんなで生い立ちのまったく異なる2人が互いを理解し合っていく映画なのですが、作中でドリスが絵画の知識を披露したり、フィリップがドリスみたいな粗野な言葉遣いをしたりするシーンなんかは特に印象に残りました。

お互いに影響を受けているんだなあと思った次第でございます。

というわけでして、後半はもうほとんど失業保険関係なくなっちゃいましたが、ともあれこれは失業保険から始まるふたりの男たちの友情の物語なのでございます。

これは最強だ、と思わせられる作品でした。

また、この映画を観て、人を「障害者」とか「スラム出身の前科持ち」みたいなレッテルだけで判断してはいけないぞ、とも思った次第であります。

しっかりと相手の人となりを見極めて接したいものでございます。

ということですので、私ウサオジのことも「いつもしょーもないことばかり書いている冴えない無職のオジサン」というレッテルだけで判断しないでいただきたいのですが、私にいたっては恐らく大体そのレッテル通りのとんでもない人間でございますので、もうなんと申し上げたら良いのか分からなくなってしまうのでございます。

とりあえず、明日もまた何かしょーもないことを何か書くのはほぼ確実でございます。

おしまい。