ウサオジという男、『沈黙の艦隊』を観る

先日は『沈黙の艦隊』を観てまいりました。

silent-service.jp

漫画の原作があるのですけれども、私は原作未読で行ってまいりましたよ。

いやあ、面白かった。

面白かったですねえ。

お話といたしましては、日米政府が合同で建造し米艦隊所属となったシーバットという最新鋭原子力潜水艦の艦長に就任した海自一の技量を持つ海江田という男が、そのシーバットを奪って逃亡し、遂には独立国家「やまと」と名乗って反旗を翻すという壮大なものでございます。

さて、何はともあれ潜水艦戦の迫力が物凄かったですねえ。

シーバットが米軍艦隊を離反してからは撃沈を目論む米軍に追われるわけですけれども、複数の潜水艦を相手にシーバットは単騎でそれを難なく返り討ちにするわけでして、とにかく圧巻でございました。

魚雷を一発も打たずに米軍潜水艦部隊を蹴散らすところは極め付きに強烈なシーンでしたねえ。

そしてその潜水艦シーバットを指揮する海江田という男の人間像も面白い。

何を考えているのか読めない穏やかな表情をしつつ次から次へととんでもないことを巻き起こすのでして、原作を知らない私からしたら驚きの連続でございました。

そもそも、ここまで感情を排した主人公ってどうなのよ、ってくらい不気味なほどに感情を感じさせないわけでして、これまた強烈な人物が出てきただなあと思いましたねえ。

作中では一見危機一髪のようなシーンが多々あるわけですけれども、しかしそれでも海江田は眉一つ動かさず「来るのは分かってましたよ。お待ちしておりました」と言わんばかりにしれっとやってのけてしまう。

追手の米軍や海上自衛隊のみならず観客の私まで海江田の手のひらの上で踊らされているような感覚でしたよ。

また、そんな海江田を追う海自の潜水艦艦長に深町という男がおるのですが、これがまた海江田と対照的な性格で印象的でしたねえ。

こちらは海江田と違って感情を表に出す方でして、かと言って取り乱すというほどでもなく、ちょうど良い塩梅に人間味のあるキャラクターでございました。

海江田に翻弄されつつも確固たる意志を持って追い続ける姿勢がカッコいい。

さて、あとは主題歌『DIGNITY』が、凄まじくエネルギッシュでパワフルでしたねえ。

www.youtube.com

エンドロールに合わせてこの曲が流れてくるのですが、物凄く壮大な感じがして非常によろしい。

これは歌っているのがAdoという方で、ちょいと前に「うっせぇわ」というファンキー極まりないタイトルの曲で有名になったことは覚えているのですけれども、曲をちゃんと聞いたのは本作主題歌の『DIGNITY』が初めてかもしれない。

それで映画館の環境で聞いてみたのですが、これは凄いと圧倒される思いでございました。

とにかくもう声の圧力が圧巻ですから。

さて、というわけでそんな見所満載の本作でしたが、どうもこれは思い切り続編ありきの終わり方でしたから、続編が気になるところでございます。

次回作に期待して待つとしようではありませんか。

おしまい。