ウサオジという男、『SALAAR サラール』を観る

インドの超パワフルアクション映画『SALAAR サラール』を観てまいりしたよ!

予告編を観たときからずっと楽しみにしてまいりました。

salaar-movie.com

さてその内容なのですけれども、それが思いのほか入り組んでてややこしかったのですよ。

まずは主人公デーヴァと、その友人にして彼らの住む都市国家カンサールの元首の息子でもあるヴァラダの子ども時代の様子が描かれるのでして、そこで起きたある事件を通じてデーヴァはヴァラダに「俺を呼べば必ず駆けつける」と誓いを立て母親と共にカンサールを後にするのでございます。

そんなこんながあって32年後、なんかいきなりアメリカで暮らすインド系のエリートっぽいオッサンの娘が父親の言いつけを破って勝手にインドに行ってしまうという話が展開されるので、何故かその娘が怪しい組織に追われることになるのでございます。

もはやこの時点であまりにも話が飛躍しているので、例えるなら昨日の夕飯の話をしていたと思ったらいきなりアメリカの大統領選の話になったときくらいの衝撃があったのですけれども、まあしばらく観ていたらデーヴァが再度登場しましたので安心しました。

娘を助けるべくその父親は助けを求めるのですが、その求めを受けて娘を匿うことになるのがデーヴァとその母親なのですよ。

しかし匿うのもあまり長くは続かず、謎の組織に見つかってしまい娘が拉致されそうになるのですが、ここでデーヴァがその剛腕を振り回して難を凌ぐでございまして、そこで今度はさらに7年前の、つまり子供時代から考えて25年後のお話が始まるのでございます。

いやはや、実にややこしい構成ですねえ。

とは言ってもこのオープニングシーンから25年後のお話が本編だったりするのでございます。

それでここでの内容はと言えば、デーヴァがカンサールを後にしてからカンサールの内部で元首の座を狙って血で血を洗う抗争が巻き起こるわけですけれども、無論元首の息子であるヴァラダもその戦いに加わるわけでして、そのための仲間としてデーヴァを呼び寄せるのでございます。

他の連中が世界中から集めたならず者の傭兵軍団を大量に呼んだのに対して、ヴァラダが呼ぶのはデーヴァただ一人。

しかしデーヴァは常軌を逸した尋常ならざるいかれた強さを誇る狂人なので、一人で十分なのでございます。

というのが主なお話なのでございますけれども、後はもうとにかくデーヴァが敵をなぎ倒していくシーンの連続でしたねえ。

清々しいほど潔く、敵を蹴散らす。

夥しい数の人間があっという間に撃滅される様は、「これぞインドのアクション映画!」と快哉を叫びたくなるほど凄まじい。

どうも本作の監督はあの『K.G.F』シリーズで監督を務めた人らしく、やはりという他ないほどに激烈なアクションでございましたよ。

それにストーリーにも『K.G.F』の面影がところどころにありましたねえ。

主人公の活躍を語り部が語る構成とか、主人公の母親が強烈すぎるところとか。

あと、映像のダークな雰囲気もなかなか『K.G.F』みのある様子でした。

と、まあそんなところでございます。

さてところで、一番何やってるか分からなかった32年後のお話ですけれども、どうもこれはデーヴァとヴァラダを戦わせるために謎の組織が仕組んだ罠らしいのですが、結局それ以上は本作では触れられませんでした。

というかそもそも、25年後のお話すら結局はいよいよここからがクライマックスみたいなところで中途半端に終わりましたので、完全に続編ありきの構成だったのがあまりよろしくないと感じました。

ともあれ、今一番気になるのは、これの続編が日本で公開されるのはいつになるのかというところと、現在これの続編が制作中ということは同じ人が監督を務めている『K.G.F』の続編が出るのはさらに先になるかもしれないというということでございます。

実に気になりますねえ。

おしまい。