ウサオジという男、『THE MOON』を観る

『THE MOON』という韓国の宇宙サバイバルアクション映画を観てまいりました。

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月の資源調査のため、韓国が国産ロケットに3人の宇宙飛行士を乗せて月へと打ち上げるのですけれども一度目は打ち上げ途中で爆散して失敗。

そして事故から5年後、ロケットを用意して再度3人の宇宙飛行士を打ち上げるのですが、打ち上げは成功したものの、月へと向かう途中で太陽フレアによって宇宙船は大ダメージを受けるのでございます。

それで修理のために2人の宇宙飛行士が船外活動を行っていたところ、予期せぬトラブルによって死亡し、残されたのは宇宙飛行士は1名と辛うじて動くようになった宇宙船。

そして残された一人の宇宙飛行士は単独で調査のため月へと降り立つのですけれども、今度は月に流星群が降ってくるのでして…というのが事のあらましでございますねえ。

とにかく主人公に災難が降りかかってくる系のスリリングな映画でございます。

また一方で地上の管制側もなかなかスリリングなことになっておりまして、宇宙船が事故に遭っているというのに、宇宙船の制作に関わり仕様に詳しい人物が既に現場にいないということで、今は組織を離れてしまっている制作チームの責任者を呼び寄せようとするのですけれども、一人は第一号の宇宙ロケットの打ち上げ失敗の責任を感じて自殺。

そのためもう一人の山奥の天文台で半ば隠居するようにしていた男を呼び寄せるのですけれども、その男と生き残った宇宙飛行士の間には実はある因縁があるのでして、そちらも一悶着では行かない事態を巻き起こすのですよ。

と、そんな内容なのですけれども、何よりもまず韓国の管制チームの杜撰さがコントみたいに思えてしまった、というのが正直な感想ですねえ。

事故に際して宇宙船に詳しい人物がいない管制チーム、そして組織の長官は専門外の文系の男で「俺は外交をやりかたったんだ!」と叫んで荒ぶる始末。

もはや約束された失敗。

そういえば以前勤めていた職場で私も、担当者が誰もいなくなってしまったプロジェクトを強引に引き継がされましたが、案の定酷いことになりましたからねえ。

こんなことを宇宙開発のような人命が関わるものでやったらまずいでしょうよ。

ともあれ、その後もいろいろな悶着が起きるのでして、当人たちはいたって真剣にやっているのはわかるのですけれども、特に中盤までがなかなか酷い様子でしたねえ。

天文台から専門家を呼び寄せたまでのは良いのですが、その後も意見の食い違いでやっぱり追い出そうとしたりと、一体何がやりたいんだかといった体たらく。

そして管制側がそんなこんなしている間に宇宙飛行士の側でも問題が次々と発生し、助けようにも一体どうやったら良いのか、といった状況になるのですけれども、そこはなんといってもSF映画ですから、恐ろしくぶっ飛んだ方法でやってのけるわけでございますよ。

またその過程で天文台の男と宇宙飛行士の間の因縁も明らかになりと、アクションも人間模様もなかなかスリリングな内容が次々と展開される怒涛の作品でございました。

序盤の管制チームの様子には呆れてしまいましたけれども、全部観終わってみたらなかなか面白い映画でございました。

こういう起伏の激しい映画もなかなか良いものですねえ。

おしまい。