ウサオジという男、『ポライト・ソサエティ』を観る

『ポライト・ソサエティ』観てまいりました。

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これインドの映画かと思ったのですが、どうもイギリスの映画っぽいですねえ。

しかも主要な登場人物インド系というよりは多分パキスタン系でございます。

まあ、そんなことは些細なことなのですけれども、一番面白かったのはカンフーアクションと謳っておきながらPVにもちらっと出ているトレーニングのシーンが道着を着て正拳突きだったところですねえ。

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これ絶対にカラテと混同してますよ!

カンフーってカラテみたいな道着で練習しないでしょ。

しかも、エンドロールでは役に「Sensei」ってのが出てました。

「Sensei」って何ですか「Sensei」って!

「先生」じゃないか!

これ間違いなく正拳突きのシーンで指導してた人でしょ。

ちょいと前に読んだ海外の小説でも「ジョン・センセイ」という登場人物がカラテの指導者役で出てましたし、この「Sensei」はそういう意味で間違いなさそうですねえ。

もしかして、西洋人は東洋の武術の指導者のことを全部「センセイ」だと思ってますか?

さすが西洋の映画、東洋に対する認識がごっちゃになっとる!

とは言え私も逆に西洋のことなんかなんも分からんので、ハンバーガー食って銃ぶっ放してたらアメリカ人だし、紅茶飲んで皮肉ばっか言ってたらイギリス人くらいの認識で、ついでに言えばバーベキューやってるのがオーストラリア人という認識ですから、まあお互い様ですねえ。

しかしまあ、こういう西洋の映画に出てくるトンデモ東洋要素もまた一興といったところですので、ここはひとつ寛大な目で観てやろうではありませんか。

ともあれ、ここまでかなりカラテっぽい練習シーンではありましたけれども、さらに驚くことに、なんと主人公の必殺技はテコンドーみたいな飛び回し蹴り。

もはや何を観ているのか分かりませんが、まあ面白いので良しとしましょう。

さて、カラテカンフーのネタで随分と尺を使ってしまいましたが、そろそろ本作のストーリーに触れるとしましょう。

主人公リアはスタントウーマンになるべく修行の日々を送っているわけですけれども、学校の先生も両親もその夢に反対し、唯一の理解者は芸術家志望の姉だけ。

しかしそんな姉がひょんなことから裕福な家庭のプレイボーイのチャラ男と結婚することなってしまうのですが、その結婚相手に胡散臭さを嗅ぎ取ったリアは独自の調査でその結婚に隠された陰謀を知ってしまうのでして、陰謀を阻止すべく結婚式を阻止しようと奮闘するといったお話でございます。

その「陰謀」というのがなかなか頭がイカれていてヤバいのでこれはぜひとも本編を観て体感していただきたいのですが、それ以上に作品の全体の雰囲気がはちゃめちゃで阿呆全開のコメディみたいな感じで面白かったですねえ。

いきなり格闘シーンが始まるし、格闘シーンが始まる前にいちいち対戦者の名前を字幕で出してくる演出が小粋で良い。

あとは主人公の姉の結婚相手の母親の悪人顔が素晴らしいのですよ。

見るからに悪人なのですけれども、中盤の陰謀が明らかになるところまでは割と良い人っぽいところが見た目と不釣り合いで実に印象的。

そしてこれはもしやただ顔が悪人顔なだけで実は普通の人なのでは、と思っていたところでやはりトンデモ陰謀を披露するのでして、「やっぱりお前悪人じゃないか!」となるのでございます。

しかも息子と一緒になって企んでいるその「陰謀」というやつが、上でも触れた通りなかなかにえげつなくてとんでもないのですよ。

あの悪人顔に見合った陰謀でございました。

また一方で、結婚を阻止しようとする主人公の作戦もなかなか荒唐無稽ですし、そもそも姉の結婚相手が怪しいと何の証拠も無く勝手に思い込んでしまうところから始まりますので、もう本当に何から何までとんでもない。

というわけでして、頭のネジが外れに外れたトンデモ映画ですので、そういうのがお好きなかたは是非。

おしまい。