ウサオジという男、『スリ・アシィ』を観る

今日も映画の感想が続きますよ。

『スリ・アシィ』を観てまいりました。

sri-asih.com

これはインドネシアのアクション映画でして、不思議なスーパーパワーを身に宿した女性アラナが地元マフィアとのいざこざに巻き込まれたと思いきや、そこから悪魔の復活を目論む連中と死闘を繰り広げることになる、といった感じの内容でございました。

ちなみにですが、私はインドネシアの映画というものを初めて観たのですけれども、インド映画を初めて観たときのような衝撃はありませんでしたねえ。

インド映画みたいにいきなりミュージカルシーンが始まったり物凄く上映時間が長かったりするようなこともなく、普通のハリウッド映画のような感じでございましたので、割と普通でございました。

なんかこうもっとインパクトのある仕掛けがあるかと思いましたが、意外とそういうのはありませんでしたねえ。

強いて言うなら、DCとかマーベルみたいなアメコミ映画と似たような感じの映画でしたよ。

さてそれで内容なのですけれども、正直に申し上げますなら、微妙、と言ったところですねえ。

なんというか、ストーリーもアクションも中途半端な感じでございました。

ストーリーについては、あんまり悪役が魅力的じゃなかったんですよねえ。

序盤から中盤までの主な敵はなんかパッとしない地元実業家兼マフィアの変なオッサンとその息子の変なチンピラの若造でしたし、黒幕もなんかショボい。

黒幕が正体を現したときは、「いや、お前が黒幕かい!?」と驚きと困惑の入り混じったなんとも言えない気まずい気持ちになりました。

そして一番うーんとなったのは、黒幕の裏には悪の女神なる存在がいるのですが、最終的にそれも戦うことなくうやむやになって終わってしまったということですねえ。

結局作中で戦っていたのはその悪の女神の眷属だけでございます。

黒幕の敵による復活の儀式が主人公に阻まれたので復活できなかったというのは分かりますけれども、あれだけ引っ張っといて出番無しはちょいと酷いんじゃないかなあと思いました。

あとはアクションですけれども、主人公がスーパーパワーを得て物凄く俊敏に動いたり分身したりするのですが、全体的に地味な印象がぬぐえなかったですねえ。

主人公も黒幕も物凄く俊敏に動いたり悪のオーラをむんむんさせたりするだけで、あんまりパワーを感じないと言いますか、なんか全部中途半端なんですよねえ。

あれだったら生身のトム・クルーズの方が強い気がする。

少なくともインドのアクション映画の主人公には勝てない。

というわけでして、まあなんとも微妙な作品でございましたよ。

ちなみに一番面白かったシーンは、タングーという名の見るからに文化系の見た目をしたジャーナリストの優男が、敵の雑魚連中に背中を蹴られてブチ切れるシーンでございました。

敵に罵声を大声で浴びせかけながら奪ったスタンバトンでぶちのめしててとんでもなかった。

大人しい人に限って怒らせると怖いですよねえ。

おしまい。