ウサオジという男、『K.G.F CHAPTER2』を観る

前回の『K.G.F CHAPTER1』に続き、今度は『K.G.F CHAPTER2』観てきましたよ!

タガが外れたようなアクションが続く『K.G.F CHAPTER1』でしたけれども、『K.G.F CHAPTER2』もそれに負けず劣らずキチガイ沙汰のアクションが連続でございました。

CHAPTER1でK.G.Fを支配するマフィアの頭目を殺してK.G.Fを乗っ取ったロッキーでしたが、続くCHAPTER2ではK.G.Fの新たな支配者となったロッキーがK.G.Fを狙う敵と戦うのでございます。

その新たな敵とは、まずはK.G.Fを発見したマフィア内の抗争で死んだと思われていた恐怖で民衆を支配する悪魔の化身アディーラ、そしてもう一人は新たにインド首相の地位についた強硬派の女ラミカ・センでございます。

アディーラはK.G.Fの奪還を目指し悪党どもを連れてロッキーを罠に嵌めて追い込み、ラミカ・センはインド国内の凶悪犯罪者を野放しにすることを良しとせずあの手この手で告発を試み、最後は軍を総動員してK.G.Fが存在した証拠を地上から抹消しようとするのですよ。

というわけでCHAPTER2ではCHAPTER1以上の強大な敵が次々に現れ、一筋縄ではいきません。

さあ、果たしてロッキーの運命や如何に、って感じですねえ!

今作も常軌を逸した噴火のように激烈なアクションが次々と炸裂いたしました。

前作から相変わらずのインド版『北斗の拳』とも言うべき乱世感が、さらにパワーアップして帰ってきた、と言った具合ですねえ。

さて、今作のお気に入りのアクションシーンは、ロッキーがでかい機関銃を警察署にぶっぱなるシーンですねえ。

その警察署に勤務する警官の一人が、ロッキーの流通経路を検挙するついでに落ちていた金塊をひとつパクるわけですけれども、盗まれたことを知ったロッキーが自ら取り返しに警察署に現れ、去り際にお別れの挨拶代わりにぶちかますわけですよ。

壁も窓もボコボコで、前に駐車してある車もド派手に次から次へと吹き飛んでいきましたねえ。

犯罪者の頭目が警察署に堂々と姿を現すという豪胆さと、嵐のような激しさのアクションが印象的でございました。

他にも、ロッキー逮捕に躍起になっている首相ラミカ・センの前に自ら出向いて自分の犯罪を告発するというシーンも、ロッキーの大胆不敵さを象徴するようなシーンでしたねえ。

そしてロッキーの告発をラミカ・センはあろうことか退けてしまうのですが、その理由と言いますのが、告発を受け入れてロッキーを逮捕したらその流れでラミカ・センの政党の党員がロッキーから賄賂を受け取っていることがバレてしまうから、というのもロッキーの奸智が冴えわたっていて凄みがありました。

予め政治家に賄賂を贈って、政治的に逮捕をできなくしてしまったというわけですねえ。

あとは前作から続投している盲目の老人の活躍が目覚ましかった。

前作終盤では、K.G.Fの奴隷として強制労働に従事していたところ、マフィアの残虐な手下に盲目であることがバレて戯れに殺されそうなったところをロッキーに助けられたわけですけれども、今作ではただのひ弱な老人ではなかった。

今作ではロッキー率いるK.G.Fの市民となった老人ですけれども、一番壮絶だったのは、K.G.Fを襲撃に来た軍の連中の前に他の大勢の市民と共に立ちはだかり、先頭に立って油を頭からかぶってマッチを掲げ脅すという狂気じみた行為で覚悟を表明するわけですよ。

他にも、ロッキーを侮る連中を一喝したりなど、とにかく迫力のある老人でございました。

あとは、アディーラ率いる悪党連中に大量のマシンガンとロケット砲で反撃するところも、本作のやり過ぎ度合を象徴しているようなシーンでございました。

アディーラが差し向けた敵の大軍を、それ以上の大軍で迎え撃ち一瞬のうちに殲滅するわけですが、このシーンは作中でも屈指の激しさでしたねえ。

そしてその場ではアディーラを生かしておくのですが、しかしそれでおめおめと逃げ帰るだけのアディーラではありません。

今度はさらに大軍を率いて再びK.G.Fに殴り込みをかけるわけですよ。

それで遂にロッキーとアディーラが一騎打ちするという、作中屈指の目玉シーンが始まるというわけでございます。

最後に、作中で一番好きなせりふは、鉄鋼会社のCEOにロッキーが「俺はインドのCEOだ」と名乗ったせりふでございます。

直前に「CEOとは何か」と近くを通った人間に尋ね「CEOはボス中のボス」という答えを引き出した後の解答がこれなのですから、大したものです。

しかもこれ、首相に謁見するための待合室での会話ですよ。

インド首相の目の前で「俺はインドのボスだ」と名乗るわけですから、とんでもないことでございますねえ。

というわけでして、もはや語ろうと思えばいくらでも語れるくらい激しいシーンの連続だったわけですけれども、いやはや、改めて考えても凄まじい映画でした。

こんなのを観てしまったら『RRR』がもう「普通のアクション映画」に思えてきてしまいましたよ。

並大抵のアクション映画じゃあ本作の規格外の激しさには太刀打ちできません。

これは今年一番の問題作で間違いないですねえ。

インド、本気だしてきました。

これは『RRR』の監督S.S.ラージャマウリが本作を強く推薦したのも頷けます。

こうなってしまった以上、S.S.ラージャマウリもさらにパワフルな映画を作ることへの情熱が湧いてきていそうですので、S.S.ラージャマウリ監督の次回作に乞うご期待ってところですねえ。

これを契機に、パワフル極まりないインド映画が乱発されると良いなあと思うばかりおウサオジでございますよ。

そして最後にひとつ付け加えるならば、なんと常軌を逸していることに、どうもこれCHAPTER3が作られる予定らしいのでございまして、パンフレットを読んだら制作陣は今のところ別の映画に取り組んでいるそうですが、これはもしかすると何年後かには本当にもしかするかもしれませんよ。

そうなった暁には、ぜひとも日本で公開してほしいところでございますねえ!

おしまい。