この度は、「午前十時の映画祭」という映画の企画で『バックドラフト』という映画をやっておりましたので、予定も開いていたことですし勢いで観てまいりました。
『バックドラフト』、火事の物凄い映画ということでタイトルを聞いたことはあっても観たことはなかったんですよねえ。
それで観てきたわけですけれども、要するにこれは消防士兄弟の確執と成長を描いた映画でございました。
消防士の兄弟の確執と成長、そして次々と発生する不審な放火事件の調査が主な出来事でございました。
火事や消防士を描いた映画と言えば、4月に観た『ノートルダム 炎の大聖堂』が記憶に新しいですけれども、それとは違った面白さがありました。
そのひとつは、『ノートルダム 炎の大聖堂』は本物の炎の迫力を撮ることにこだわっていた印象ですけれども、『バックドラフト』の方はCGを使って、炎が人を襲っていく恐ろしさを表現していたように思えますねえ。
『バックドラフト』の方は、炎が猛獣のように消防士たちを襲っていくわけですよ。
消火の現場では消防士たちの四方を炎が包み込み、時には爆炎が吹き出て消防士を吹っ飛ばしたりもするわけでして、映画で観ている分には大迫力ですけれども、こんなの直撃したらとんでもないなあと思う他ありません。
そしてそもそも不審火の事件に至っては炎を使用して特定の人物を狙った殺人でして、もはや炎が人の命を奪うための存在として描かれている。
そんな感じで、とにかく大迫力の炎の演出に圧倒されるばかりの2時間だったのですけれども、驚くのはこれが30年以上前の映画だってことですよ。
上映後、結構古そうな映画だと思って調べてみたら、まさかの30年前。
30年前って言ったらもう、言うまでもなくスマホもなければ、それどころかパソコンですらそこまで高性能ではなかったはずですが、しかしそれでもあんな観る者を圧倒する映像を作り出したということにも度肝を抜かれましたよ。
あれだけ凄かったら有名になるのも当然でしょうねえ。
また、炎の映像表現以外にも、ラストの物語が一気に終結するところも鮮やかでした。
兄弟の確執、不審火の真実、そういった問題が一気に解決してきれいに終わるのでして、実に面白かった。
というわけでして、『バックドラフト』は30年の時を経てもなお観る者を圧倒する名作でございました。
おしまい。