ウサオジという男、『グランツーリスモ』を観る

一昨日は映画『グランツーリスモ』を観てまいりました。

www.gt-movie.jp

これは同名のゲームシリーズに関する実話を元にしたカーアクション映画でございます。

内容といたしましては、プロドライバーになることを夢見るドライブシミュレータゲーマーの青年が、実際にプロドライバーになって表彰台に立つまでの軌跡を描いたカーアクション映画でございます。

物凄い迫力のカーアクションと熱いストーリーに圧倒される2時間ちょいでございました。

いやあ凄かったですよ、これは。

今年最大のアクション映画が満を持してやってきた、と言う他無い超大作。

もはや車を題材にしたトップガンみたいな感じでございました。

そういえばドライビングスクールの訓練シーンでは「考えるな、反応しろ(Don't think, just react)」という実にトップガンみのあるせりふも出ておりましたし、主人公がライバルマシン2台に両サイドをブロックされてからの逆転シーンも、『トップガン マーヴェリック』の終盤でF-14を急減速して敵機に追い越させてから反転攻勢に出るあのシーンを思い出しましたねえ。

やはり主人公が超絶テクニックをぶちかまして相手を圧倒するシーンはどんな映画でもカッコいい。

他にも、レース中のハンドルやペダルの操作も、戦闘機のスロットルレバーや操縦桿を操作する空戦シーンを彷彿とさせる描写と音響でございました。

そして無論ストーリーも非常に熱く盛り上がるやつでしたよ。

いつもドライブシミュレータゲーム『グランツーリスモ』ばっかりして父親には「現実を見ろ」と叱られ呆れられる主人公ヤン、しかしそのヤンが世界中の『グランツーリスモ』のトッププレイヤーを集めて本物のカーレースで活躍するプロドライバーを養成するプログラム「GTアカデミー」に選抜されたことをきっかけに、プロドライバーとしての道を突き進んでいく、というお話でございます。

もはや、この全世界の『グランツーリスモ』プレイヤーの中からトップ中のトップを集めたプロドライバー養成機関「GTアカデミー」という設定からして、米海軍戦闘機パイロットのトップ中のトップを集めたパイロット養成機関「トップガン」と重なって仕方がない。

ともあれ、そんな「GTアカデミー」での猛特訓を終えたヤンはいよいよレース本番に出場するわけでして、そこではライバルとの熾烈な争いや壮絶な事故と直面するのですよ。

もうストーリーも良いところがありすぎてどこから語ろうかというところなのですが、とりあえずはライバルとの戦いが見所のひとつでしたねえ。

キャパという作中でヤンのチーフ・エンジニアのジャックからは「金持ちのガキ」と呼ばれているいけ好かないガキがいて、しかしガキとは言え腕は良いのでして、こいつがゲーマー上がりのヤンをやたら目の敵にしてくるのですが、そのキャパをヤンがここ一番の勝負所でぶち抜くところは盛り上がりましたねえ。

上でも少し触れたライバル2台に両サイドを挟まれるシーンなのですけれども、ここのシーンカッコよさは随一。

しかもこのレース自体がヤンにとってプロとしての活動を続行できるかどうかの瀬戸際みたいな状況でしたので、そういうことを含めてとにかく熱いシーンだった。

あとは、観客を巻き込む特大のクラッシュ事故を起こしたヤンが、復帰後のレースで戦意を喪失してしまうシーンがあるのですが、ここも熱かった。

レースが始まっても一向に加速しようとしないヤンの異状に気づいたチーフ・エンジニアがあることをしてヤンを復活させるのですが、この精神的な問題の克服というのもやはりトップガンを髣髴とさせる。

『トップガン』でいえば、終盤でマーヴェリックがグースを失った事故を思い出して戦意を喪失したものの、最後にはグースのドッグタグを握り締めて「Talk to me Goose」と呟き復帰し逆転するシーンですし、あるいは『トップガン マーヴェリック』でいうなら、渓谷を2分30秒で突破するシーンで加速を最後までためらっていたルースターが悩み悩んだ挙句、最後の最後にはアフターバーナーを噴射させて急加速するあのシーンみたいな感じでしたよ。

おっといけない、油断していると何を語ろうにもトップガンが出てきてしまう。

しかしともあれ、何かにつけてトップガンを思い出してしまう『グランツーリスモ』でしたけれども、とにかく圧巻の2時間ちょいでございました。

これは間違いなく傑作でございます。

映像や音響、そして物語と、何をとっても最高レベルの作品でございました。

もはやカーレース映画におけるトップガン的映画と言っても過言ではない。

映画を観ていて、あんな前のめりに観てしまうような映画はそうはありませんからねえ。

これは間違いなく映画館で観るべき映画でございました。

おしまい。