『バッド・デイ・ドライブ』を観てきましたよ。
要するにこれは、リーアム・ニーソン演じる主人公が徹底的に不幸な目に遭う映画でございます。
しかしそう言ってしまうと、もはや大半のリーアム・ニーソン映画がそうではないかと言われそうな気がしますけれども、実際のところそうなのだから諦めてください。
ともあれ、今作のリーアム・ニーソンは一味違います。
なんと言ってもアクションといったアクションはほとんどしませんから。
最初の方に早起きしてサンドバッグ叩いているシーンが1分ほどありますが、それ以外はずっと座りっぱなし。
ただ車の運転席に座って電話するだけのリーアム・ニーソンを堪能できる贅沢な90分でございます。
アクション俳優リーアム・ニーソンではなく、演技派俳優リーアム・ニーソンに刮目せよ!
さて、なんでそんな座りっぱなしなのかと言いましたら、車の座席に圧力感知式の爆弾が仕掛けられていて、席を立つと爆発してしまうからなのですよ。
しかも、後部座席には自分の子供2人も乗っているときた。
胃腸の弱い私といたしましては、そんな状況になったら緊張でお腹が痛くなってついうっかり席を立ってしまい、物の数分でお陀仏になっちゃいそうですねえ。
ともあれ、そんなわけで正体不明の犯人に勝手に愛車に爆弾を仕掛けられ、犯人の動機も分からないまま犯人に電話で言われるがままにベルリンの街を愛車で走りまわされるわけですよ。
車内という狭い空間の中で激しい動きも特になく、延々とリーアム・ニーソンの表情、会話と言った演技を観る作品でございました。
逃げ場のない崖っぷちの状況に陥って絶望的な表情をしていたと思いきや、後半で一気に火が付いたようにブチギレるわけでして、この振り切れ具合はさすが演技派俳優リーアム・ニーソンってところでしたねえ。
感情表現の振れ幅が物凄い。
悲惨な目に遭っていたと思ったら、ある時点で一気に点火して反転攻勢に出る、これはもはやリーアム・ニーソンのお家芸のような感じがしますけれども、やはりリーアム・ニーソンと言ったらこれが無ければ始まらないので仕方がない。
というわけでして、リーアム・ニーソンの圧倒的な演技力に痺れるリーアム・ニーソン感むんむんのリーアム・ニーソン映画でございました。
おしまい。