ウサオジという男、『HOW TO BLOW UP』を観る

『HOW TO BLOW UP』を観てまいりました。

howtoblowup.com

これは、企業による環境破壊によって身近な人、健康、住む場所を失い人生を台無しにされた人々が、その象徴たる石油パイプラインをぶち壊すことで世界にその意思を知らしめるという非常に前衛的な内容でございます。

要するにテロの映画ということで、無論物凄く攻撃的な作品ではありますけれども、しかし彼らが行動するに至った背景を想像することで悲哀も感じさせる味わい深い作品でございました。

印象に残ったのは、よくあるアクション映画に出てくるようなそういった専門的な訓練を受けた人間ではなく、民間のどこにでもいるような、言ってしまえば普通の若者たちが反撃の意思によって結託し、それぞれの知識、技能を持ち寄って世界に対して一発食らわせてやろうとするのを描いたドキュメンタリー作品のようになっていたことですねえ。

主要登場人物がこのテロ行為に加担するようになったきっかけとテロの一部始終を交互に描くことでよりドキュメンタリー感がむんむん出ておりました。

果たしてパイプラインの爆破は成功するのか、そして彼らの意思は社会にどう影響を与えるのか、観てのお楽しみでございます。

というわけでして、反骨精神に満ち満ちたスリリングな作品でございました。

おしまい。